2025.03.04
井上孝教授(経済学部 現代経済デザイン学科)がこれまで取り組んできた「全国小地域別将来人口推計システム」の開発と社会的利活用に対して、公益財団法人 統計情報研究開発センターから「2024年度シンフォニカ統計GIS活動奨励賞」が授与されました。
この賞は、地理情報システム(GIS)と統計情報を⼀体的に利⽤する「統計GIS」についての理論、技術開発及び応⽤に関する活動に積極的に取り組み、当該活動を通じて統計GISの推進・普及に相当の成果を挙げた方に授与されるものです。
井上教授は、少子高齢化等の政策立案に重要である一方、統計手法に課題のあった数十年先までの全国における小地域別の将来人口推計について、新たな手法を開発するとともに、世界初でも例を見ない「小地域別将来人口推計ウェブマッピングシステム」(SAPP*)としてウェブシステムを構築し、日本版に続き、海外各国版も公開しています。従来採用されていた手法は、推計する地域が狭いほど統計指標が不安定になり、ぶれが大きくなるという技術的な課題がありました。
今回の受賞は、新たに開発した独自手法を用いた小地域別将来人口統計法の提案と、SAPPの構築と公開を通じて統計GISの整備・普及、研究・教育の発展に大きく寄与したことによるものです。なお、井上教授の本賞受賞は2005年度(「大学経済学部におけるGIS教育」本学 高橋重雄教授、三條和博助教授、髙橋朋一助教授との共同受賞:職位は受賞当時)に続き2度目となります。
*Small Area Population Projections(小地域別将来人口推計)の略称