2024.04.15
荻原祐二准教授(教育人間科学部心理学科)が「日本文化の個人主義化に関する研究」の業績で、「令和6年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」(若手科学者賞)を受賞しました。この賞は、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者個人に対する表彰です。
【業績概要】
文化心理学は、一時点における文化の横断的な比較に留まっていることが多く、文化の動的な側面はほとんど検討されていませんでした。また、欧米の個人主義化は少数ながら示されていたものの、その他の地域で同様の変化が生じているかは明らかではなく、その影響も不明でした。
荻原准教授は、家族構造や新生児の名前等を分析することで、日本文化の個人主義化を定量的に記述しました。また、その変化が人々に与える影響を解明し、歴史的な背景が異なることにより、同一方向の変化が生じていても、その心理的帰結が異なることを実証しました。日本だからこそ検証可能な現象や効果に着目し、国際的に価値のある知見を日本から世界に積極的に提供してきました。
本研究成果は、心の病の増加や関係性の希薄化など、日本文化の個人主義化に伴って生じると考えられる、様々な社会問題の解決や予防に貢献することが期待されます。